NBA選手分析 Part1 ジェイレン・ブランソン

NBA

今回はNYK(ニューヨーク・ニックス)に在籍しているジェイレン・ブランソンに関する様々なことをデータを用いて分析する。

①簡単な説明

身長 188㎝ 
体重 86㎏
ポジション PG
年齢 29歳

経歴
スティーブンソン高等学校
     ↓
ビラノバ大学
     ↓
ダラス・マーベリックス(2018-2022) ※2巡目全体33位指名
     ↓
ニューヨーク・ニックス(2022-現在)

②ショットチャットから分かるプレースタイル

2025-2026シーズンのショットチャットは以下のようである。

成功数/試打数

① 左コーナー3 14/35
② 右コーナー3 23/56
③ ペイントエリア 134/210 
④ ミドルレンジ 157/313
⑤ コーナーを除いた3P 158/437

ブランソンのショットチャートを見ると、コーナー3の試投数は比較的少ない一方で、成功率は高いという特徴が見られる。反対に、コーナー以外の3P、特にトップ付近からのシュートは試投数が多い。

このことから、ブランソンはオフボールでコーナーに待機して3Pを狙うというよりも、ボールを持って自らオフェンスを組み立てる場面が多い選手だと考えられる。

特にトップ付近からのシュート数が多いことは、アイソレーションやピック&ロールなど、自らドリブルでディフェンスを動かし、シュートまで持ち込むプレーとの相性の良さを示している。

一方で、コーナー3の成功率が高いことから、完全にキャッチ&シュートを苦手としているわけではない。むしろ、自らシュートを作ることを優先しつつ、空いたコーナーでは高確率で仕留められることがブランソンの特徴と言える。

そしてペイントエリアではレイアップやフローターでの得点が中心であり彼の得点の多くを占めている。彼の今シーズンの3Pの平均アテンプトは7.1で同ポジションのエース級選手と比較してみると多くない。マキシー(PHI)は8.6、ラメロ(MIN)は10.3、ドンチッチ(LAL)は10.8とサイズが彼より大きい選手でも彼より3Pのアテンプトが多く、188㎝と小柄な体だがリムアタックでの得点力が高い。

③苦手なディフェンダーは誰?

ブランソンを最も苦しめたディフェンダーを調べるため、マッチアップ時の得点・FG%・ターンオーバー・被ファウル数・をもとに独自の「防御スコア」を算出した。

指数は、ブランソンの得点とFG%を抑えるほど低くなり、ターンオーバーを増やしたディフェンダーも高く評価する。一方、ブランソンに多くのファウルを与えた場合は減点とした。なお、マッチアップ時間が極端に短い選手はサンプル数の影響を受けやすいため、ランキングでは10分以上のマッチアップ時間がある選手を対象とする。

順位選手名マッチアップ時間PTS/POSS(PPP)被eFG%TOV%防御スコア(低い順)
1位アメン・トンプソン(HOU)14:330.03011.1%10.0%4.0
2位ディーン・ウェイド(PHI)10:490.1156.7%0.0%9.1
3位アイザック・オコロ(CHI)15:110.05928.6%12.5%13.5
4位ビラル・クリバリー(WAS)11:230.14038.9%17.5%21.2
5位VJ・エッジコム(PHI)22:370.17937.5%10.8%24.5
6位クリスチャン・ブラウン(DEN)14:090.16338.9%0.0%27.6
7位トゥマニ・カマラ(POR)15:440.16150.0%15.5%28.4
8位ダイソン・ダニエルズ(ATL)25:250.29350.0%5.7%37.9

1位から8位は上図のようであった。ブランソンに効果的なディフェンダーはアメン(HOU)のようなウィングスパンが長く身体能力が高い選手やウェイド(PHI)のようなフィジカルとサイズがある選手であることが分かった。反対にブランソンに効果的でない選手としてザックス(ORL)やデイビオン・ミッチェル(TOR)のようなサイズのない選手が挙げられる。彼らのようにサイズがない選手はブランソンに対して効果的ではないことが分かった。

④なぜ止められないのか

身長は188㎝とNBAの中ではかなり小柄な選手である。DF面でも狙われることも多くOFで他の選手以上に貢献できなければNBAに残れない可能性も高い。そんな中で毎年平均26点前後のスコアを取り、2025-2026シーズンにはチームを優勝に導き自身もファイナルのMVPに選ばれた。彼はスピードが特別速いわけでもなくカリーのように3Pを高確率でどこからでも決められるわけではない。ではなぜ多くの選手が彼を止めるのに苦労するのか。様々な観点から解説する。

  • 加速力でなく減速力が異次元
    NBAに在籍する選手の中に加速が得意な選手はたくさんいます。少し前に引退したウエストブルック、フォックス(SAS)、マキシー(PHI)などの選手がそれにあたります。その一方で減速能力について議論されることはあまりありません。ブランソンはその減速力においてリーグトップクラスに優れている選手だと思う。
  • フィニッシュ力
    もう一つの彼の強みはフィニッシュ力である。先ほどのショットチャートでペイントエリアの確率は63.8%であった。この数字は特別高いわけではないが188㎝と小柄な体格を考えると高い数値である。彼のフィニッシュスキルは多彩でありビックマン相手にはフローター、ハイグラス、G陣などに対してはハンドオフを使ったフィニッシュなどで相手に応じてブロックを回避する方法を変えている。フィジカルが強いこともありコンタクトへの耐性もある。
  • アイソレーションのリスタート
    あまり聞きなじみのない言葉かもしれませんが、**「アイソレーションのリスタート」**とは、簡単にいえば、1対1の攻撃が一度止まったあと、味方にボールを預け、そこからもう一度1対1を仕掛けるプレーのことです。一見すると、「わざわざ一度ボールを手放して、また1対1をする意味があるのか」と思うかもしれません。しかし、この一度攻撃をリセットする動きには大きなメリットがあります。最初の1対1で無理にシュートまで持ち込むのではなく、一度ボールを動かすことで、難しいタフショットを避け、より確率の高いシュートを選択できる可能性が生まれます。さらに重要なのが、ディフェンダーとのズレを作りやすくなることです。ボールを一度動かすことで、ディフェンスもポジションを調整しなければなりません。そのわずかな遅れやズレを利用して、もう一度1対1を仕掛ける。最初のアイソレーションでは突破できなかった相手に対して、状況をリセットしたうえでもう一度勝負できるわけです。ただ、この判断は簡単ではありません。多くのNBA選手は、最初の1対1が止まったときに、そのまま無理なシュートを打ってしまったり、苦しい状況でパスを出そうとしてターンオーバーになったりします。つまり、「攻撃を一度やり直す」という選択肢を持てるかどうかが重要になります。その中でも、このプレーを積極的に活用しているのがジェイレン・ブランソンです。ブランソンは、1回目のアイソレーションで無理に答えを出そうとせず、状況が悪ければ一度ボールを動かし、そこから再び1対1を仕掛けます。この「一度止めて、もう一度仕掛ける」という判断が、ブランソンの高い得点効率を支える武器の一つになっています。

まとめ

今回はジェイレン・ブランソンのプレーの講評をしました。サイズや身体能力をカバーするスコアリング力でNYKを優勝に導きました。1対1で得点することができない人は彼のハンドリング、フェイク、フットワークをぜひ参考にしてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました